Kさん

今日、昔勤めていた会社でお世話になっていた、
上司のKさんが亡くなったのを知りました。
最初の会社でこの人に出会わなかったら、広告やデザインやモノ作りに
興味を持つ事もなかったし、全く別の仕事をしていたかもしれない。

Kさんは京橋にあったデザイン事務所に勤務していたコピーライターで、
当時、何も分かってない20そこそこの根拠なき自信だけで生きている
小僧にシゴトの楽しみ方を教えてくれた人。

シャブシャブ食った事ないと言ったら肉にこだわり夏しか営業してない店に
予約して連れて行ってくれた人で、

風邪引いて寝込んでる時に呼び出されて仕事して、夜飯食いながら一緒にいた
同期のやつに、「俺は病人なのにあのオヤジは鬼だーっ」て
元気に悪口言ってたら、なんと斜め後ろでそのオヤジが食べていて、
帰り際にオヤジが持ってたスポーツ新聞でパシーンっと頭叩かれながら、
「俺は風邪なんか病気だと思ってません。」と言いながら自分らのテーブルの
伝票を取っていってくれるような人で、

私が当時乗っていたバイクに乗らせろと勇ましく出て行き、
1時間後に無免許で捕まり、青ざめた顔で帰って来てびっくりさせてくれた人で、

コピーライターの養成講座へ行きなよ、と絵とか文字とか関係無いと、
広告の勉強を勧めてくれたのもこの人でした。

この上司には3年位お世話になって、Kさんは実家の仙台で独立された。

最後に会ったのは10年前位に仙台に行った時、はじめて事務所に
遊びに行った時で、その時に上に書いたような事をしてくれていたのって
いくつ位だったんですか?と聞いたら、30ちょいかな?と聞いてビックリした記憶があります。

震災の時に電話で話をしたのが本当の最後でした。
その時も「いや〜大変だよ〜、そっちはどうなの?仕事は」と逆に心配されてしまったっけ。

出会いで人生のレールがカチッ、カチッと切り変わって行くんだと思います。それゆえに人との出会いを甘く見てはいけないとつくづく思います。何が良い出会いかなんてその時はわかりません。Kさんの事も働いている時は、クソ〜っ!って事の方が多かったと思います。でも後から色々と自分に染み込んでる事を発見します。違う相手が鏡のようになって、初めて気がついたりします。
自戒の念を込めて、Kさんへの感謝と共に。

2014年もやるぞい。